令和乙女日記

悩める乙女の端書き

魔物に呑み込まれないように

帰省3日目。今日は成人式の前撮りに行ってきた。だんだん関西弁が気持ち悪くなってきた。スタジオのメイクさんも着付け師さんもみんな関西弁で、もちろん家族写真を撮るために同行している家族も関西弁で、わたしの口から発せられるのも関西の訛りで、それがほんとうに気持ち悪い。早く標準語が飛び交う世界に帰りたいよ。24時間も経てば天蓋のあるおうちに帰れているのだと思うと少しだけ気が紛れる。

帰省中、ODをしないと絶対にやっていけないなと思ってメジコンを1箱持ってきていたのだけど、全然効かない。1回あたり6-7錠飲んでたんだけど、そんな数では効かなくなってしまったんだろうか。ハイプロンに慣れすぎたのかも……という、最悪の感想がよぎる。東京に帰ったらしばらくはブロンあたりでODした方がいいのかもしれない。それか混ぜるとか?ハイプロン以外でふわふわしていかないといけません。

昨夜はずいぶん色んな人に構ってもらって、優しさに触れて、それで泣いてしまった。すこし羽を休められるようになって初めて疲れているのを自覚することってあるよね。昨夜に比べれば、今日はもうこの夜さえ越えればなんとかなるという思いがあるから息苦しさがマシ。だけどだんだん家の中でのわたしの立ち位置がお客さんから家族になっていってて、そうなると息苦しくなってくる。ごはんを食べる前、お手洗いに立っただけなのにおそらく2階に上がると勘違いされて「もう餃子焼けてるよ」と声掛けされたのがだいぶ気分悪かった。

なんだかんだで帰る実家があるのだから、そこから金銭の支援を全面的に受けることでバイトをせずとも高いお洋服を買えているのだから、こんなに文句ばかり言うのはやめなよと、粗探しもいい加減にしたら?と言う自分が胸の中にいる。だけどこの自分はとても強くて、1度でも言うことを聞いてしまうとどんどん侵略してくる。きっとこれはわたしの性格と、この家が暗に与えてくる親を敬え、家族を愛せという圧力とが長年の歳月をかけて混ぜ合わさったものなのだと思う。わたしを呑み込んでくる魔物。これに対抗するために、わたしは実家や親の嫌なところを見つける度に明文化している。そうしないとすぐに忘れてしまうから。わたしは家庭環境に恵まれている幸せ者なのに勝手に壊れてしまった出来損ないだから死ななくてはならないと自殺未遂をしてからまだ1年と少ししか経っていないのだから。

早く帰りたい。東京のわたしの方が親の悪口を吐けていて、魔物から遠いところにいた。