令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

ヒール

近頃、ヒールの高い靴に挑戦している。元々わたしは母親の躾の影響で、ヒールのある靴は避けていた。冬場のブーツや夏のサンダルさえ、なるべくヒールのない、あるいは低いものを選んできた。けれどここに来て突然、10cm近いヒールの靴を2足入手して、それがとてもかわいくて、だから頑張って無理やり履いている。
当然慣れない上に、こんなに高いヒールなのだから、普通に道でコケる。幸いまだぐねったりはしないが、すまし顔で歩いていた年頃の女が突然コケるのだ。つまずくとかではない、コケる。膝をつくし、手もつく。変な声も出る。傍から見れば滑稽だと思う。
だけどわたしは全然辛くないし、これらの靴を履くことをやめない。やめたいとも思わない。おしゃれのためならずっこけて顔の皮が剥けたとしても構わない。もうわたしはとっくにファッションの奴隷なのだった。