令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

死ねてたら良かったのに

七月のあの日に死ねていたら良かったのにと未だに何度も考えます。
いえ、わかっているのです。あの時飲んだお薬の量ではせいぜい後遺症がいいところで、死に至ることなんてできなかったであろうことは。あの日は本当に致死量を飲んだつもりでいましたが、退院してしばらくしたある日、本を読んでいて、人が死ぬ為には途方も無い量の睡眠薬が必要だということを知ったのです。わたくしが服用したのはせいぜい二十にも満たない睡眠導入剤と、百二十程度の風邪薬だけでした。それも粒をすり潰すこともせず、そのまま。あれでは死ねるはずがありません。わたくしは死を甘く見ていました。
だけど、だけど。あの一件の後から、貴方からの連絡が途絶えてしまったのなら、やはりわたくしはあの時死ぬべきだったと思ってしまうのです。こんなに苦しく冷たい世界で生き延びてしまうつもりなんてなかった。あの時わたくしは本当に全てを終わらせるつもりで、貴方が差し伸べてくれた手も、約束も、その全てを振り払ってしまいました。あの時はそうするしか無かった。けれど、生き延びてしまうのなら、どれか一つくらいは掴んでおくべきだったとわたくしは悔やまれてなりません。
貴方に会いたい。だけどもう、会いにゆくことは叶いません。ねえ、わたくしは真面目すぎるのでしょうか。ズルでもなんでもして貴方に会いにゆくべきなのでしょうか。まだ、会える手段が残されているうちに。
だけど勇気が出ないのです。他のことならどんなことでもできてしまうわたくしは、貴方のこととなるとたちまち動けなくなってしまいます。だって貴方が好きだから。大切にしたいから。絶対にもう誤りたくないから。
貴方は今何を考えていますか?わたくしのことは、まだ覚えてくれている?それとも嫌いになってしまったかしら。わたくしは貴方の心だけがどうしてもわかりません。それはとても悲しいこと。あまりに悲しくて、この頃わたくしは毎日飛び降りを考えています。結局面倒に感じてやめてはいますが、いつかは本当に実行してしまうかもしれませんね。
こんなところに貴方への想いをしたためたところでどうにもなりません。ここに書いていることの一部でいいからお手紙を出せば何か変わるかもしれないのに、わたくしはそれが怖くて怖くてたまらない。だって、好きなんですもの。
ねえ、わたくしはどうすれば良いのでしょうね。