2023-11-02 腐爛した果実 詩文 私の手の中で、ぐらりと形がくずれる。 軽く力を入れただけなのに、いとも簡単に。 汚れた手が泥泥して、真赤で、気持ち悪くて、 身体の横で、乱雑に振り払った。 辺りに飛散する赤。悲惨、なんて呟いてみて。 公園の水道に手を浸す。凍死が近くなる。 詩を綴る。歌を歌う。死を綴る。希望を謳う。嗚呼なんて、安っぽい人生。 貴方の目にはこんな世の中が美しく映るの?