令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

詩文

わたあめの鎖

わたあめで作られた鎖 みんなはいいねって言う 甘いってわたしもおもってた 知らなかったの こわさをこわさをしっても 鎖からは逃げられない すぐに心が縛られる 甘さがまとわりついて離れない 舌触りの悪い声が脳に焼き付く にがして 甘いのはいらない 苦い…

追加注文

デザートの時間みたいな あまさ 夢みるように思いかえす いま ここ が嫌で戻りたくて 脳内のネオンを撫でた 午後7時 雨のにおいと虫の音 2022年8月11日(木)に書いた詩です。 当時何を思って書いていたのか本当に思い出せません。これこそ芸術かも。

恋降るシュガー

ふわふわあまい綿 めいっぱい口に入れて すぐに溶けて 何度もくりかえす食べつづけるのに飽きても どんどん増えつづけて 押しつぶされてしまいそうただの砂糖なのに ほかのだっておいしいのに 気づいたらこればかりあまい おいしい しあわせすこしずつ変わる…

腐爛した果実

私の手の中で、ぐらりと形がくずれる。 軽く力を入れただけなのに、いとも簡単に。 汚れた手が泥泥して、真赤で、気持ち悪くて、 身体の横で、乱雑に振り払った。 辺りに飛散する赤。悲惨、なんて呟いてみて。 公園の水道に手を浸す。凍死が近くなる。 詩を…

振動シンドローム

とくとく、とくとく わたしのなかの、小さな振動とくとく、とくとく 目覚めたばかりの、このからだあなたの声でゆめをみて あなたの言葉でめをさます 鳴り止まないアラームと 鳴り止まない胸の音とくとく、とくとく わたしの知らない、去る日のあなたとくと…

しめいろづき

くらい部屋 お湯のにおい タイマーのなる音アッサムの香を呑んで、すって、はいて まぶたにおもりがつけられた 蜜月の花束に シャンデリアのかがやきがうつるしろい光の瞬きで 瞼の重りが飛んでいくつめたい握った糸をあかく染め おそらに浮かぶお月様 えん…