令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

生きたくない

面白おかしく生きてゆけるだけの環境は整いつつあるはずなのに、貴方とコンタクトが取れないというたったひとつのことがわたくしの命を脅かし続けます。でも、どうすればよいのでしょうか。貴方を恨みたくなどないのです。貴方をわたくしという脅威から引き離したくて、だけどそうすればするほど切ない想いは募って、ではもう全て諦めてしまいましょうと貴方に近づこうとすると、貴方に拒絶されているということを思い出すのです。
とても辛く、わたくしの生きている理由とはなんだろうという、人類史の中でもう散々問われてきた在り来りな問いを何度も反芻します。だけどわたくしが何かの宗教でも信仰しない限り、この答えが見つかることはないのです。
いっそ、キリスト教でも信仰してみましょうか。プロテスタントの学校に通っていたことがありますから、信仰の土台くらいはあるはずです。ですが聖書も賛美歌も実家の方に置いてきてしまいましたし、新しく購入するのは少し気が引けます。そもそも、今のわたくしがいきなり近所の教会の礼拝へ出向くなんてあまりに厳しすぎます。不安が常に付きまとう病を患っているのですから。
でも、宗教もだめならわたくしはどう生きていけば良いのでしょうか。一応、冬服の予約をしているので今はそのために生きています。だけどそれをお迎えしてしまったら?その後はどう生きてゆけばいいの?だなんて、まだ夏も終わっていないのに無駄な思考を繰り返します。

わたくしはほんとうは、貴方にだって真の意味では恋なんてしていないのです。まあそれは、わたくしよりも貴方の方が早く気づいていたようですけれど。
わたくしはきっと、貴方を親代わりにしようとしていました。親がくれなかったものをくれる貴方が大好きで大好きでたまらなくて、お話していくうちに、お叱りを受けるうちにどんどん懐いてしまって、人としても、異性としても最も愛する人、という最高の地位を簡単に貴方に譲ってしまいました。別に貴方はわたくしに何の地位もくださらないのに。なんて不釣り合いなのでしょう。
貴方は悪くありません。いえ、もし悪いとするならば、わたくしの方を見てくださらなかったことです。貴方がもう少しわたくしに熱い眼差しを注いでくださったなら、たとえばそう、束縛なんてことをしてくださったなら、わたくしはこんなには燃え上がらなかったはずです。親と同じように、結局わたくしに自分の熱を注ぐだけの貴方をわたくしは嫌がれたでしょうね。
だけど実際の貴方はあまりに完璧すぎました。わたくしが求めている王子様そのものすぎたのです。責任を取ってくださいなんて、在り来りな文句だって幾度となく頭をよぎりましたよ。ですがそんな文句は心の声にいつも掻き消されます。貴方はただ誠実だっただけ。貴方は普通で、おかしいのはわたくしの方。それを喜んで享受してしまうわたくしの方です。
お父様とお母様が、わたくしをもっと上手に育ててくれていたなら、とわたくしはこの頃何度も考えます。ねぇ、普通の家庭に生まれていたなら、少なくともわたくしはもう少し楽に生きられたのではないでしょうか。
わたくしの抱えている問題は、なにも上手に育ててもらえなかったことだけではありません。他にも問題は山積みです。ですが家庭という最大の土台がもっと安定していたら……。だなんて、考えても仕方ありませんよね。もう自分で環境を改善できるだけの力を身につけたのですから、あとは努力を重ねるだけで良いのです。そう、それだけです。