令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

ドールへの憧憬

女のコはかわいくないと生きていけない。わたくしはお人形さんになりたいのです。ドール。DOLL。
生殖なんてしたくない。感情なんていらない。ただ美しくあれればそれでいい。性欲なんて邪魔だし、快感なんて必要ないし、ごはんなんて食べたくない。眠れない夜に涙を流したくないし、両親の尻拭いもしたくなんてない。
お人形さんは、遊んでくれる女のコがいないと存在できないのでしょうか。いえ、そんなことはない筈。ドールは何に依存することも無く、ただ孤独に高潔に存在していける美の実体の筈。
胸なんていらない。子宮なんていらない。五感なんていらない。それよりも宝石のような瞳が欲しい。瞳がキラキラと輝くのなら、それに映る周りの世界だって幾分か輝く筈ですもの。この世界はとても穢いけれど、わたくしがお人形さんになれれば少しは違って見える筈。
人間の体のまま、醜い臓器を内に宿したままいくら外面を着飾ったところで限度がある。ロリィタファッションに身を包み、日傘を差しながら優雅に歩いたとて、猫背は治らないしロッキンホースバレリーナは未だ履きこなせない。結局お人形さんの模倣でしかなくて、それはわたくしが人間であることをより浮き彫りにしてしまう。なんて惨めなの。一刻も早く清潔な死を迎えたいわ。