令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

汚らわしい空気

すぐ近くに住んでいた同い年のあの子は心も体も不細工だった。わたしは今も昔もずっとあの子が嫌い。なのに家がものすごく近いものだから、小学校の間は毎日同じ班で集団登校して、お互いが別々の友達と遊んでいても時折遭遇して、わたしが家でお勉強していても、他の子と遊んでいる時の暇つぶしにインターホンを鳴らされた。

あの子はとかく悪口が多かった。いつも誰かの噂話や悪口を言っていた。わたしも「ノリ悪い」って言われてたらしい。これは別の子に聞いた話だけど。

特定の特徴を否定することになりそうだから顔は細かく描写しないけど、幼い目から見ても不細工だった。あの子が他のクラスメイトを「〇〇ちゃんってかわいいよね」と話しているのも聞いたことがあるから、きっとあの子自身も容姿にコンプレックスを抱えていたんだろう。

心も体も不細工なのに、歳の離れた兄と姉がいて末っ子で、おそらく世渡り上手なあの子の周りにはいつも人がいた。わたしはそれを馬鹿馬鹿しいと思っていたけど、羨ましがってる子もいた。

子どもは、特に小学生はひどく残酷な生き物だと思う。確かに純粋ではあるかもしれないけど、純粋が故に社会の構図が浮き彫りになる。醜くて息苦しい世界だった。わたしだっていじめを受けた。成績は優秀だったけれどノリが悪かったから。流行りのゲームをやっていなかったから。理由なんてきっとその程度。帰りの会で配られた算数の宿題をその場で解くよう周りの人に言われて、解いたら即それを写されるなんて小さな搾取も身近にあった。

 

この世は未完成すぎる。汚れていて、なのに人間は増え続ける。人間が増えるのだって大した意味はなくて、温かな家庭を築きたいという一人か二人のエゴだったり、子どもによって救われたいという歪んだ自己補完だったり、ただただ快楽を求めた末の結果だったり。あまりに汚らわしい。嘆かわしい。わたしはもうここにいたくない。