令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

お花

前から気になっていたお花屋さんへ行った。いつも前を通って、気になっていた中の様子をうかがいながらも素通りしていたのだけれど、昨日はなぜだか吸い込まれるように中に入った。中はとてもおしゃれで、置かれている花束用の?切り花たちはみんな値札がついていなくて、ものすごく高かったらどうしよう、まあ花束を買うわけでもあるまいし少しくらい良いか、などと考えながらお花たちを見ていた。
元々お花は好きだ。母親がフラワーアレンジメントの資格を持っているのもあって、小さい頃から家には割と色んなところにお花が飾ってあって、母親に教えてもらいながらアレンジメントで遊んだこともある。1度なんて、お友だちを家に連れていったら母親がちょうどお花を生ける準備をしていたところで、その子も巻き込んでアレンジメントをしたことだってあるくらいだ。そこそこ広い庭にはいつも色んなお花が咲いていて、ピアノの発表会で花束をもらうことだってあって、わたしにとってお花は母の愛の象徴だったのかもしれない。

お客さんはわたし1人きり。お花屋さんで色んなお花に目を奪われていると、奥から少し背の低いおばさまが出てきて、「おうち用ですか?」と聞かれた。実際、家に一輪挿しを飾りたいと思っていたので何度か受け答えをして、濃いピンク色の薔薇をお迎えすることにした。「100円でいいですよ」と言われたのだけれど、あれはもしかしてお値引きしてもらえたんだろうか。元々安いお花屋さんだった可能性だって十分あるけれど、薔薇が100円ってかなり安くない?別にど田舎って訳でも、すっごくボロいお店って訳でもないんだよ?
そんなこんなで自宅に濃いピンクの薔薇を連れて帰って、前にオレンジジュースを飲んだのを残しておいた、ちょっとかわいい瓶に薔薇を生けた。せっかくの長い茎をかなり切らなければいけなくなってしまって、それがとても心苦しかった。
お部屋にお花があるというのは良い。視界に入るだけで心が華やぐし、自分以外の生命が同じ空間にいる、というのはなんとなく心をやわらかくしてくれる。わたしはこの子に名前をつけて、起きた時やお出かけする時なんかに声をかけている。できるだけ長くこのお家にいてほしいな。