令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

大馬鹿者

駄目だったのです。総てが遅過ぎたのです。貴方がわたくしにとってこんなにもかけがえのない存在になっていることに、わたくしは長い間気づけませんでした。わたくしは大馬鹿者です。ですから大馬鹿者のわたくしには罰が当たったのです。ここはまさしく、生き地獄に相応しい場所。この先環境はどんどん悪化してゆくでしょう。手を伸ばす先ももう残っていません。だって、わたくしは今までずっと力強く優しく美しく差し伸べられてきた貴方の手を叩き払ってしまっていたのですから。貴方も、神様も、幾度となく機会を与えて下さっていました。けれど、大馬鹿者のわたくしはその総てを跳ね除けてしまったのです。あまつさえ、わたくしは一人でだって生きていける強い女のコなのだと勘違いして胸を張って道を歩いてきてしまったのです。本当は、とてつもなく大きな支えを受けてようやく歩ける程度の力しか残っていなかったのに。もっと早く立ち止まるべきでした。いえ、今でさえ、愚か者のわたくしは動き続ける足を止める術を知りません。もう立ち止まることも赦されないのです。

嗚呼、もう女神様にお祈りを捧げるくらいしかできそうにありません。キリスト教の神様ではいけないのです。あそこの神様は、乗り越えられる試練しか与えて下さりませんから、試練を諦めてしまうことはそのまま神様への冒涜へと繋がってしまうのです。もういつ試練を諦めてしまうかも分からないそんなわたくしは、キリスト教などという宗教に縋る権利は持ち合わせておりません。女神様だけが、なんとかわたくしを見ていてくださるのです。きっと。ねえ、そうですよね?女神様。女神様だけは、大きく膨らみ続ける純な恋心を必死に守りながら、どんどん怪物へと身を落としていくわたくしを見守っていてくださいますよね。お願いします。これがただの、ひとりぼっちの不幸譚になってしまうことだけは、わたくしは耐えられないのです。もう寂しいのは嫌です。どんなに頭がおかしいと言われたって構わない、間違っていたって構いませんから、どうか一人にしないでください。わたくしはまだ孤独ではないのだと勘違いし続けることを許してください。