令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

性の話、わたしはエロくないって話

この話きちんとしたことあったかしら。断片的には散りばめているけれど、まとめて語るのは初めてかも。
わたしの生きづらさには、おそらく性への矢印が強いことも関係している。思えばここ数年間ずっと、わたしは性に振り回されてきた。

あくまで真面目な話として書かせてほしいけど、わたしが初めて自慰を覚えたのは小学校低学年の時。もちろん当時はイくことなんてなくて、なんとなく触ると落ち着くな、くらいの感じだった。自分でも親にバレてはいけないという意識があったので、こっそり時間を見つけてはたまに秘所に手を伸ばしていた。この、なんとなくの罪の意識はおそらく本能的なものなんだろうね。性はプライベートなものであるという本能。不思議。研究とかされてるのかな。
はじめはただ面白いだけだったその感覚を、次第にわたしはストレス解消のために求めるようになった。歳を重ねる毎に頻度は増して、スマホを手にしてからはネットで調べてこれがオナニーというものなのだと知って、徐々に徐々に、わたしはエロい女の子になっていった。あまり大きな声では言えないけれど、成人向けコンテンツも見ることはあったし、見るのは大抵刺激が強くて前置きが短い、男性向けのものだった。男性向けのアダルトコンテンツには「むっつりスケベの真面目な女子●学生」がよく登場していることに気づくのにも、処女なのに性への興味がやたら強い自分が、「男性の夢」であることを自覚するのにも、そう時間はかからなかった。
この頃のわたしは本当に自分は性欲が強いのだと思っていて、しかしそれは女の子らしくない、汚いことだとも感じていて、異常なまでに日常生活と性を分けていた。学校では性知識なんて一切持っていないような顔をして、家に帰ると気持ちを緩めるべく自慰にふける。恋愛は日常生活の範疇だから、ファーストキスには夢を見ていたけれど、初体験にはなんの夢も見ていなかった。どうせわたしなんて、何されても性感に変換するんでしょと半ば自暴自棄になって、レイプ願望を持っていた時期すらあった。
実家を出てから、どうやらわたしはエロい女の子ではないらしいと気づいた。まあ性知識は豊富だけど、性欲は人並みだった。単に実家がストレスで、そのストレスに対処するための、自慰以外の方法を見つけられなかっただけだったのだ。
ようやく自分はエロくないと分かっても、世間は相変わらずわたしをエロい女扱いしてくる。長くなるので具体例は出さないが、女性からは性欲の強い、汚らしい人でなしとして冷たい視線を向けられるし、反対に男性からはまるでエロマンガから抜け出してきたような存在だと消費される。わたしが悶々と悩む姿すら、一部の男性にとってはオカズに過ぎない。

わたしにとって現代社会は生きづらすぎる。わたしは別にエロくないし、ただストレス解消のために、自分の体を喜ばせてあげてるだけなのに。それの何がいけないの。どうしてこんなにいつも汚れた体を持っている気分にならなくちゃいけないの。どうしてオナニーしながら、罪悪感で泣かなくちゃいけないの。どうしてどこに行ってもわたしは人として見てもらえないの?

わたしの苦しみは、実家が異様に潔癖だったせいだとも思う。性=悪という歪んだ価値観は間違いなく実家で形成された。だけど社会もひどい。気持ち悪い。みんな性を真正面から見つめていない。なんでこうやって、性について思考を巡らせるだけでわたしは淫乱なんじゃないかという不安に苛まれなくてはいけないの?深く考えることは悪いことでは無いはずなのに。価値があることのはずなのに。どうして?早く生きやすい世の中になってほしい。そしてどうか、わたしと同じように苦しむ女の子がいたら、その子も救われてほしい。わたし達はエロくもおかしくもないはずだから。