令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

美しく命を紡げ

あの人にかけてしまった迷惑を数える度に恥がわたしに覆いかぶさって、死にたくなる。もう、彼が居ない世界で生きていたくないだとかそんな淡い恋物語では無いのだ。これは、品性を重んじるわたしが恥を抱えきれず自己を肯定する術を失いつつあるという話なのだ。
謝罪はしてあるし、もうこれ以上の接触は不可能だし、あの人との物語はこれでおしまい。進展は有り得ない。でもわたくしはこれからも生きていくのだ。あの人から分けてもらった美的感覚も、元々持っていたものも、全部抱え込んでこれからもわたくしは歩き続ける。ただ、ふと過去を振り返った時に途方もない恥が襲いかかってくる。わたくしはなんと身勝手なことをしたのだろうか。なぜ潔く死ななかったのだろうか。なぜ、最も大切な人よりも自分の浅ましい生命を優先し続けてしまったのだろうか。こんな生き方はちっとも美しくない。美しくないならこれは生き恥。それも特別大きな。ああわたくしは、大きすぎる生き恥を背負いながらこの先も命を紡いでいくことがどうにも恥ずかしい。美しくない。美しくないなら生きる価値など無い。死にたい。潔く死ねば、まだ、美しくなれる。
このような美的感覚が近頃のわたくしを突き動かしております。ひとつ断っておきたいのは、わたくしは決して、死が常に美しいものだとか、死は救済だとか、そんな価値観で動いているわけでは御座いません。死に急ぐのは簡単ですし、屍体は醜いもの。最も美しいのは、品性を宿し、高潔に生き続けるその生き様です。でももし、美しい生き方ができないのであれば、潔く死ぬことの方がまだ美しいと言えるのでは無いかと、ただそう思っているだけなのです。