令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

映画鑑賞で発作を止める日々

暇だけど文脈のあるものを見る気にはなれなくて、なんとなくYouTubeを開いて「美少女無罪♡パイレーツ」や「INTERNET OVERDOSE」などのMVを見ていた。ほとんどずっとODをしてなんとか生きていた去年の夏の頃を思い出した。

わたしがODをした時によく聞いていた曲がこの辺りだった。情報量が多くてピコピコとした電子音が繰り広げられる曲はラリった脳に心地よく響いてトリップをくれたのだ。最近はもう、そこまで深く飛ぶほどに薬を入れることはしていないけれど。

一時期に比べればかなり落ち着いてきた。よく頑張ったなぁと思うけれど、落ちる時は一瞬だとわたしは知っているから、毎日「発作」に怯えながら暮らしている。またいつぞやのような発作が起きて衝動のままにすべてを滅茶苦茶にしてしまったらどうしよう。あの状態のわたしはわたしであってわたしではないから、起こしたことの責任をきちんと負えない。今もその余波に苦しめられ続けている。理性を捨ててしまうというのはとても怖いことだ。

年が明けてからは映画をよく観ている。それくらいの集中は続くようになってきたし、何より日々が暇でたまらないからずっとYouTubeの30分程度の動画を見続けて暮らすのにも限度がある。かといって一日中本を読むのもそれはそれで疲れるし、今は映画がちょうど良い。

最近見て良かったのだと『ラストナイト・イン・ソーホー』『K-12』『ヴィーガンズ・ハム』辺りかな。ずっと気になっていた『アメリ』も観られた。基本的にわたしは少女趣味な映像と、美しさのあるホラーと、フランス映画が好きだ。

本当は50年代くらいのラブロマンスも好きなのだけど、それはあまりサブスクに入っていない。そういう古い作品限定のサブスクって無いのかしら。レンタルビデオ店にならあるのだろうけど、それは手間が段違いなので選択肢からは外れる。中学生の頃なんかはよく、帰り道に寄り道をして駅の向こうのゲオに足を運んでいたなあ。

サブスクはこの上なく便利だけど、青春時代に自発的にゲオに行っていた身としては味気なく感じてしまうこともある。あらゆる作品が画面に並び立てられていて、作品の価値がぐっと下がってしまったように見える。サムネイルだって映画のポスターとは違う、作中のワンシーンを切り抜いただけのものが使われていたりする。そうなるともう、どんな作品なのかタップする前に想像する楽しみも半減してしまう。

それでもお布団にくるまって寝転びながらタブレットで映画を観れるのはなんて素敵なことだろうと思うし、文明の進歩とは良いものだと思う。いつか青空文庫みたいに、著作権の切れた映画が誰でも観られるサービスが立ち上がったなら完璧だと思う。