令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

ひなぎく

映画ひなぎくを観てきました。元々、野ばら様のエッセイから知ったので、女の子がずっと滅茶苦茶するだけの映画、というのは知っていました。この前の夏だかに存在を知ったらちょうど、10月から全国のミニシアターで放映されることに。これは行かねば!と思いながらもなかなか予定を立てられず、気づけば公開終了間近になってしまっていたので慌てて駆け込みました。
面白かった。下品なのは正直見ていて眉をひそめたくなったけど、女の子が楽しそうにしていれば、どんな悪事だってあんなにチャーミングに見えるものなのか。女の子映画と称される所以がわかりました。
古い作品なので、内容にも触れてしまいますが、姉妹がただぶっ飛んでいるだけではなく、ちゃんと世間からすれば自分が「ダメ人間」であることに気がついているというのも良かった。時折挟まれる哲学的な会話には見入ってしまいました。「ダメ人間だから助けて」と姉妹が溺れながら乞うシーンはまるで自分を見ているようで、ぼろぼろと涙が溢れました。ラストシーンの、いい子になって幸せになる、と呪縛のように繰り返される演出もすごく響いた。かわいい女の子を見ようという軽い気持ちで観に行ったのに、まさか心の深いところを突き刺されるとは思いませんでした。わたしが今抱えている生きづらさは、もしかするとわたしが女のコである証なのかな。
どうやったら幸せになれるんだろうって思いがずっとある。好き放題生きてもいいことに段々気がついてきたけど、社会の呪縛から逃れて自由に生きれば生きるほど、わたしは一人になっていく。どこにも所属していないというのはなんとも怖い。結局どこにいたって不安なのかもしれない。
余談ですが、わたしもシャンデリアに乗ってみたいと思った。ゆらゆら揺れるシャンデリアに乗るのってとても楽しそう。絶対危ないけど。