令和乙女日記

拗らせメンヘラの端書き

街での視線について

ロリィタさんと関わるようになって、ひとつ気づいたことがある。ロリィタさんの中で一般人からガン見されたり撮影をお願いされたりするのを是としない人はかなり多そうだということ。

盗撮が嫌なのはもちろん分かるんだけど、笑顔で撮影を求められると「自分はただ服を着てるだけなのにな」と複雑な心境になる人が多いみたい。

確かに、そういう時のロリィタさんは人間ではなくキャラクターとして扱われている。端的に言えば消費されている。わたしも女性の端くれとして、消費されるのは大っ嫌い。

でもわたしは正直、街中で目線を感じたらそれが好意的なものであれ否定的なものであれ、「見ちゃうよね?かわいいでしょ?今日の思い出にしていいよ?」くらいの気持ちで気取って歩いてしまう。撮影も、肖像権とか怖くて断ってしまうことはあるけど求められること自体は割と好きだ。

じゃあわたしは目立ちたがり屋なのかというと、なんともしっくり来ない。思うに、わたしは華やかなファッションの人を目で追ってしまう人達の気持ちがとても分かるんだと思う。わたしも少し前まではそっち側だったから。

登校するのがとても苦しかった高校時代、わたしは電車や駅にいるおしゃれな人にとても救われていた。かわいいお洋服はもちろん、例えばブラウスと靴下の色が一緒だとか、コーデにひと工夫加えたのが分かるような人を見かける度にエネルギーをもらえて、その日はなんとか乗り越えられるような気がしていたのだ。

今思えばわたしのおしゃれに対する思いはこの経験に大きく影響を受けている気がする。自分が明るい気持ちになれるのはもちろん、それを見た街の誰かの心に残って、少しでもその人が毎日を生き抜く手助けになればいいなと思いながら街を歩いている。だから見られるのは嬉しいし、視線は感じなくてもチラ見してる誰かがいるかもしれないなと心躍る。

わたしは街を歩くお人形さんになって、感性の近い素敵な誰かを救いたい。